寒い日が続いていますけど、みなさん釣り行ってますか?
僕は、HPのための我維羅-弐式-の動画を撮りに行ったり、完成品のスイムテストやプロトルアーのテストと魚を釣るのが目的ではない作業に時間をとられています。周りから見ればロッド持って、ルアー投げてるから釣りなんだろうけど、僕にとっては釣りじゃない、作業です。。。この地味な作業が将来的にはとても意味のあるものになると信じて、雪の降る中でも野池行きますよ~。
そんな訳で、この地味な作業を繰り返して生まれたヘルキャットに詰め込んだものを話そうかと思います。
この前のブログで釣りのリズムのことを少し書きましたが、僕はどちらかというとテンポの速い釣りが得意なんです。それで、得意な部分を集約したルアーがヘルキャット。だからこのルアー自体もテンポの速いルアーになります。
これがヘルキャットの1番最初のプロトモデル。最初はミノー的要素が強くあまり動かないイメージ。少しクランクの要素も入れようと設計変更したモデルに移る。↓
頭部の横幅を広げ、ウエイト設計を変更。リップの長さもほぼ決まり、バタバタと泳ぐルアーになっていった。そこからデザイン面に少し手を加えて最終プロトへ進む。
この頃にはプロトの数は何個あるか分からないくらいになってます。そんななが~い過程を経て現行モデルとなっています。リップ素材もアクリルからサーキットボードに変わりました。
このヘルキャットで1stプロトから変わらなかったことは、サイレントであることなんです。テストしていたときは水噛みとルアーの挙動を中心に考えていました。ラトルを入れることなんて忘れてたっていうのが正直なところなんですけど、ヘルキャットは野池でも川でもクリークでもリザーバーでも釣れたんです。だから自然とサイレント仕様がいいだろうってことになりました。じゃぁ、なぜ釣れるのか???
最近までは、ヘルキャットには釣れる何かがあるってところで考えるのをやめて、釣れるから作るという答えを出していました。
けど、なんとなく釣れる理由が見えてきたんです。
サイレントなのに濁った野池でも釣れる。その理由は、バタバタと動くボディの挙動や潜るレンジも大いに関係しているんだけど、細長い体がある程度のスピードで水中を泳いだ時に発生する水と水の擦れる音があるんじゃないか?と思うんです。人間には聴こえない、水中の生物のみが反応できる水の摩擦音。ヘルキャットはテンポの速いルアーっていうのもここに繋がるんです。
ユージはヘルキャットをクランクミノーじゃなくて、ジャークベイトって言う。ルアーをジャークした時の瞬間的な移動は突発的な水の摩擦を生じていると思うし、その時のバイトも多い。瞬時にイレギュラーな動きをするルアーにリアクションで口を使うのだろうとは思うが、水自体が発生させる水の音がまったく影響していないとは考えにくいんです。
それで、この理論を元にすると、ルアー内部の音よりもルアーの動きによって発生する水の摩擦音のほうが魚の反応がいい場合があるということになる。裏返すと、当然ルアーの動きは必要だが、しっかり水を擦れるルアーをデザインすれば、魚は反応するのではないかと思うんです。
これが今考えられるヘルキャットのサイレントパワーです。
この考えもあってクランクのアルカトラズはスリット形状のボディデザインにしました。
この考え方が正解か不正解かは魚にしか分からないかもしれないけど、釣れるルアーを求めていきます。