「千鳥」と「ドドリ」

兵庫丹波の山奥は、
夜と昼の温度差がありすぎて風邪引きそうです。
今日のブログはちょっとマニアックな話を。。。
タイトルでピン!ときた人は少ないかもしれませんが、
「アルカトラズ」の中に盛り込んだアクションで、このアクションの設定に一番苦労したし、悩んだ部分なんです。
それは、「千鳥アクション」と「ドドリアクション」のセッティング。
「千鳥アクション」はルアーの軌道が横方向に蛇行するものと認識されている人が多いと思います。僕自身の千鳥の認識もみなさんとほとんど変わらないと思うし、一般的に認知されたアクションだと思うんです。
次に「ドドリアクション」って初めて聞いた人もいると思いますけど、ルアーを作る人間にとっては誰でも知ってる言葉なんですよ。
一般的に「ドドリ」とは、クランクベイトなんかで、背面抵抗の大きいルアーがリトリーブスピードに耐え切れずにバランスを崩してしまい軌道の安定しない状態をいうんです。
つまりリトリーブによって前方向に進む力と、ルアー自体の水の抵抗とのバランスが取れていないことを「ドドリ」と呼ぶことが多いんです。
ルアーを自分で作った事のある人は経験あるかも知れませんが、クランクベイトで基本的なウエイトセッティングやアイ設定、ボディバランスのデザイン、リップ角度設計などを理解していない人、要するにルアー作り初心者の人が作るとこの「ドドリ」が出るルアーになる可能性が高いんです。
クランクってある程度ボディに浮力があって、リップが付いてればウォブルなりロールのアクションは出るんです。だから、初心者が作ってもそれなりに動く(泳ぐ)ものはできる。
けど、ルアーの水流抵抗やリップ角度、アイの位置設定がちゃんとできないと、泳ぐけどなんか動き変やなぁ~ってクランクになるんです。
だから、一般的には「ドドリ」は失敗作のアクションってイメージが強いように思うんですけど、「ドドリ」は魚が釣れない訳じゃない。
僕の中で、「千鳥」は横方向のみの軌道の崩れに対して、「ドドリ」は横方向に加えて縦、斜め方向と複数方向への軌道の崩れと認識しています。つまりアクションの方向がさだまらない状態。
この安定しないアクションは実は自然界になじみやすいんですよ。人間でもそうですけど、真っ直ぐ歩くのは難しいですよね。水中の生き物も同じで、常に真っ直ぐ泳いでるわけじゃない。蛇行したり、突然方向転換したり、止まったり。天敵に追われているときはアクロバッティックな動きで逃げています。
このことをヒントに「アルカトラズ」にこのアクロバティックさを盛り込みたかったんです。それが結果的には、「千鳥アクション」ではなく、「ドドリアクション」だったんですよ。
「ドドリ」はルアー自体のアクロバットさと、それに伴う変幻自在の明滅効果を発揮できる動きとして考えていきました。
alcatraz 0.jpg
この写真のように、「アルカトラズ」は深すぎるスリットをボディに持っているために太陽光で自然とボディに影を作り出します。
この自然に出来る影とドドリによる不安定軌道の明滅効果は恐らく今までバスが出会ったことの無いのもので、何かしらの興味を抱くもののような気がします。
そこで、単に軌道の安定しないクランクでいいのか???って考えました。それはルアー作り初心者って思われるか、このクランク動き変、失敗作って思われるに決まっているんで、この「ドドリ」をどの程度アルカトラズに盛り込むかの設定に時間が掛かりました。
それで、たどり着いたのが、
「安定の中に明らかな不安定が共存するセッティング」
これがアルカトラズのドドリセッティングです。
だから、ご購入されて使ってみた人でもアルカトラズの中に、この「ドドリ」が設定されていることに気づいていないアングラーもいると思います。
アルカトラズを投げてみて、「ボディ形状の割りに泳ぎ普通やん!」って思われた人も多いと思います。けど、ちゃんとドドリアクションが盛り込まれていますので、見つけてみてください。
特に秋の巻物シーズンではこの不安定軌道明滅効果の「ドドリ」が威力を発揮すると思いますよ。
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